旅にでかけたら、あそことここに行って、これを見て、あれを食べて。もりだくさんの計画と下調べをして、朝から精力的にうごきまわって、目一杯旅を楽しむ。
むかしは、そんなエネルギーがあったけれど、いま同じことをしたら病気になって倒れてしまうかもしれない。
朝はゆっくりだらだらしたいし、その日の気分と天気で行く先を決めたい。ちょっと観光してつかれたら、夕ごはんの前に昼寝のじかんもほしい。
たとえ何かを見逃したって、そのうちまた来るときのために、楽しみをとっておくと考えればいいのだ。そのうちが来るかどうか、はなはだ怪しいとしても。。
そんな旅のスタイルが、夫婦間で一致しているのはさいわいであるが、このヴェネツィアの旅で、これだけはどうしても、とアポイントメントをいれた先が、ひとつだけあった。
エイミーさんのアトリエだ。
ガラス作家のエイミーさんは、ムラーノガラスで有名なムラーノ島のはずれ(どこがはずれで、どこが中心かわからぬのだが)で、世にも美しいガラスの器やビーズをつくっている。
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