お買いもの
フォーブル・サントノーレ通り14の16番地。たしかこの辺りのはずなのだけれど。看板をひとつひとつ確認しながらきたはずなのに、おめあての帽子屋はなかなかみつからない。これはもう、通りすごしたにちがいない。そう確信がもてるところまできてやっとわた…
こんにちは。 暑い日がつづきますが、いかがおすごしでしょうか? わたしはいま、インク壺の淵に佇んでいます。 「インク沼」というものの底知れぬ恐ろしさは「はまったら最後、ぬけだせない」。つねづねそう聞かされてきました。ですから去年、万年筆を手に…
友人のNさんから、手編みのカーディガンをいただいた。 いつも自分で編んだニットをすてきに着こなしているNさん。会うたび「すてきね」とほめていたら「編んであげる」と。秋ぐちに会ったとき、好きな色を聞かれていたのだ。 とちゅう採寸してもらったりし…
いま必要というわけではないけれど、いつか手に入れられたらなぁ、と思うものを「欲しいものリスト」にして手帳に書き留めてある。 年始め、手帳を新しくするのと同時にこのリストを移しかえる作業が、何となく始まってしまった一年の、ぼんやりした気分にぴ…
ボタンはボタンでも、陶器のボタンというものがある、ということを知ったのは、いつだったか、クリーニングに出したジャケットのボタンが、ボロボロになって返されたときのことだった。 灰色の地に、八つならんだ特大の白いボタン。 それが唯一の装飾で、ボ…
ジュネーブから車で10分足らずのサレーヴ山のふもと。 ちいさな教会と、カフェと個人商店が数軒、軒を連ねるだけのVeyrierは、フランス国境にちかい田舎町だ。 あるものと言えば、サレーヴ山に登るケーブルカーの乗り場だけど、この日わたしたちがここを訪れ…
パリの食器屋で、おもちゃみたいなカフェオレボウルをみつけた。 両手のひらに、すっぽりおさまるサイズ感。乳白色の、つるんとしたかたち。手描きの水玉の、よくみるとわずかに輪郭がブレてるゆるさ。かすかに翳りが混じった、びみょうなトーンの赤とむらさ…
ひさびさに、恋に落ちてしまいました♩ 年にいちどの、カルージュのアンティークフェア。 ジュネーブに移り住んでから、ほぼ毎年のぞいているこの骨董市で、かならず立ちよるお店があります。 洗練されつつ、どこかあたたかみのある品々は、店主のカトリーヌ…
旅にでかけたら、あそことここに行って、これを見て、あれを食べて。もりだくさんの計画と下調べをして、朝から精力的にうごきまわって、目一杯旅を楽しむ。 むかしは、そんなエネルギーがあったけれど、いま同じことをしたら病気になって倒れてしまうかもし…
「フランス人は10着しか服をもたない」の中で、アメリカ人の著者ジェニファーが、パジャマがわりに着ていた穴のあいたスウェットパンツに、フランス人のマダムシックがギョッとする、というくだりがあります。 フランス人は10着しか服を持たない~パリで学ん…
ジュネーブの代官山、と勝手にわたしが呼んでいるカルージュ(Carouge)は、お洒落なカフェや雑貨屋さんがならぶかわいい街。年に一度の骨董市をやっていたのでのぞいてみた。
母が日本からあそびにきました。 11月はスイスの超オフシーズンだと、何度も忠告したのにもかかわらず、です。 スイス観光のハイシーズンといえば、7月、8月のハイキングシーズンが有名ですが、もうひとつ、12月から3月までのスキーシーズンというヤマがあり…
宇治のお寺の参道にあるちいさな骨董屋の、戸棚にひとつだけちょこんとならべられていた染付のそばちょこ。 他のものを購入して、さぁ帰ろうとふり向いたとき、ふと目が合ってしまったのだ。 灰色がかった落ち着いた白地に、スモーキーな藍色のやわらかな筆…
京都に住んでみたい、とずっと思っていた。 他にもいろいろ住んでみたい都市はある。たとえばパリとかニューヨークとか。わたしが住んでみたいとおもうのは、独特の文化と歴史があって、住んでいるひとびとが多様性をもちつつ、その街の住人としてスタイルを…