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SABAすたいる

スイスのくらし、旅のエッセイ、日々のできごと、おもうこと。

日本人は非ロマンティック体質?バレンタインには女性に花を、テーブルにキャンドルを

ライフスタイル スイスのくらし

だいぶ前のことだけど、夫が買ってきた現地新聞の日曜版一面に、日本の地下鉄車内でサラリーマンとOLが口を開けて寝ている写真が、でかでかと載っていてぎょっとした。

見出しは、「ロマンスは必要ない日本人」。長時間労働と満員電車の通勤のせいでロマンスのための体力も時間もない 、男性はアイドルやゲーム、夜のクラブ活動といったバーチャルな恋愛のほうが楽ちんで楽しく、女性は自分みがきに忙しい。もうリアルな恋愛やロマンティックな男女関係は、めんどうだし興味なし 。という内容だった。

ちょっと誇張されている部分はあるにしても、当たらずとも遠からず‥と、へんに感心させられてしまった記憶がある。関係ないけど、この記事の次のページがケネディ家の歴史、みたいな格調高い(?)記事だったのがとても対照的だった。

そんな記事があったこともすっかり忘れていたある日、アメリカ人のお宅のディナーにおよばれしたときのこと。ディナーといってもそんなに堅苦しいものではなく、気軽なものだったが、テーブルにはキャンドルがともされ、ロマンティックな雰囲気が演出されていた。ディナーがはじまると、さっそくホスト役のご主人が、話題を提供、とばかりにこうきいてきた。

「日本人ってキャンドルは災害のときしか使わないってほんと?」

 わたしが日本人だからと気をつかって、日本の話題をふっていただいたのはとてもありがたいのだけど、よりによってそうくるか、と頭がクラクラした。さて、同席者一同、目をまるくしてわたしのこたえを待っている。日本の名誉のためにも、なにか気の利いたこといわなくちゃとあせり 、言わなくてもいいことを言って墓穴をほった。 

「ほかには、仏壇とかにもつかいますよ」

一瞬、しーんとしてキャンドルの炎までゆらめきを止めるほどの緊張感につつまれたが、

「冗談ですよ」

 というと、やっとみなさんも笑ってくださり、その場を切り抜けることができた(つもり)。

 余談だが、海外でパーティに行くと、会話を盛り上げようと、こんな風に日本のことを話題にあげてくださる。その気遣いには本当に感謝しているのだけれど、返答に困るような質問も多い。最近いちばんこまった質問は、「アベって最近どう?」だった。(アベっていうのは安倍首相のことです、ねんのため)

 話をもどしてキャンドル問題。じゃあ、実際どうかと落ち着いて考えてみると、これまた当たらずとも遠からず、なのじゃないかと思うのだ。少なくともわたしの場合、実家でダイニングテーブルにキャンドルが乗っかった思い出といえば、台風で停電したときぐらいしかない。ほかには、蚊よけとか安眠効果のあるアロマキャンドルはときどき使っていたけれど、これもロマンティック用途ではないし。おっしゃるとおり、キャンドル使用、という観点においては、圧倒的にロマンティックが欠落しているといわれても、否定できないかもしれない。(こんなのウチだけで、毎晩ディナーにキャンドルともしてますよ、という方がいらしたらごめんなさい)

気をとりなおして。本日はバレンタインデー。

ヨーロッパでは、バレンタインデーは男性が女性にお花を贈る、というシステムになっていて、ありがたいことにわたしも夫からお花をいただける。典型的な日本人的非ロマンス体質のわたしといえども、さすがに男性からお花をいただくと、とても気持ちがはなやぐからふしぎなものだ。

 今年はバレンタインデーが週末なので、いっしょに花屋についていった。店内はおなじように花束を求めてやってきた男性でごった返していて、むさくるしいおじさんも、イケメンも、みんなそれぞれ赤やピンクのブーケを手に、レジに並ぶのを見ていたらなんだかこちらまで幸せな気分に。

 今日ぐらいは、ロマンティックにキャンドルでもともしてみますかね。

ハッピーバレンタイン!

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