読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

SABAすたいる

スイスのくらし、旅のエッセイ、日々のできごと、おもうこと。

北野天満宮天神さんの市でお買いもの。京都町家で暮らす一ヶ月

京都町家暮らし

京都に住んでみたい、とずっと思っていた。

他にもいろいろ住んでみたい都市はある。たとえばパリとかニューヨークとか。わたしが住んでみたいとおもうのは、独特の文化と歴史があって、住んでいるひとびとが多様性をもちつつ、その街の住人としてスタイルをもっている”いろっぽい街”だ。

パリジェンヌとかニューヨーカーとか、住人をあらわす名詞が固有名詞みたいなひびきをもつ場所にあこがれる。

京都もそんないろっぽい街のひとつだと思う。

それで、まとまった休暇がとれそうになったとき、ぐうぜん京都にバケーションレンタルできる場所があると知り、ひと月京都に暮らしてみるのもいいな、と思いたったのだ。

そんなこんなで、今、私は京都でひと月かぎりの町家暮らしをしている。

タクシーの運転手さんもさがすのに難儀し、わたし達自身もなんども見逃してしまうような狭い路地の奥の町家が、わたし達のひと月かぎりの仮の住まいだ。

昔ながらの町家をリノベーションしたもので、内装など町家の雰囲気は残しつつ、水まわりや暖房などの設備は最新のものをとりいれてあるので快適にすごせる。到着したときは冷え込みがきつくてびっくりしたけれど‥。

今日は、ちょうど月に一度の天神さんの市があるというので、がんばって早起きして北野天満宮にむかった。朝早いのに参道には所狭しと屋台がならんでいて、たくさんの人でにぎわっている。

古い着物や帯は千円均一のものや袋に詰め放題のものがあって、外国人や若い女の子が楽しそうに物色しているのを見るのは楽しい。

f:id:sababienne:20160329224152j:plain

外国映画で着物や帯をうまくインテリアにとりいれたりするのを見るけれど、海外に持ち帰ってどんな風に使うのかなぁとか、レトロな着物を若い子が工夫して着たら可愛いだろうなとか‥。

さらに歩いていると、大原女の格好をしたおばさんの呼び込みにおもわず足を止めてしまった。

f:id:sababienne:20160329224149j:plain

ビフィズス菌たっぷりよ」

すぐき、壬生菜、しば漬け‥などさまざまなお漬物がビニール袋に入れられて並んでいる。長いフライト直後でおつうじがイマイチな私に、このセールス文句はばつぐんの効き目。

「お肌もツルツルよ」

「一袋三百円のところ、二袋で五百円よ」

間髪いれないセールストークに、辛子なすとすぐき漬けをいただくことにした。

夫が足をとめたのは、朽ちかけた木箱にはいった漆のお椀。

「すみません」

と声をかけると、おしゃべりに夢中だったご主人、みるからに機嫌がわるそう‥。

「これ、おいくらですか?」

「一個三百円で、10個入りだから三千円」

「え?そんなに安いんですか?!」

と思わず言ってしまったのだけど、おどろいたのがご主人の反応。

「そんなこというんなら、他の店いってみろっ」

え?

「あのぅ、安いですね、っていったんですけども‥」

「え?そなの?じゃぁ、中みてみる?」

と、自分の勘違いにちょっときまり悪そうにしつつ、しぶしぶ箱を開けてくれた。

その後も、夫がサイズがまちまちだと英語でぶつぶつ言っていると、

「手作りなんだから当たり前だ」

漆なのかと確認すると、

「漆じゃなければなんだっていうんだ。こないだプラスチックですかっていうバカがいたから目の前で割って中みせてやったんだ」

と終始一貫してぶあいそうなおじさん。こわい。。

「あれ?10個って言ってたけどおじさん、8個しかないよ」

「え?」

(そっか、この前目の前で割っちゃったからか?)

一緒に数えるとやっぱり8個しかない。

「あれぇ、おかしいなぁ。10個あったはずなんだけどなぁ‥」

けっきょく、

「じゃあわかった、三千円っていったけど二千五百円でいいわ」

となり、夫も納得してお買い上げ。じぶんの間違いにきづいてだんだん態度を軟化してくれたおじさんではあったけれど‥。ひさびさにみた頑固親父は最後までとっても怖かった。

f:id:sababienne:20160329224207j:plain

平野神社の桜がきれいだと聞いたので、足をのばしてお参りした帰り道、お腹が空いたので屋台でたこ焼き、澤屋さんで粟餅をいただいてほっこり。注文してから目の前でつくってくれる粟餅はふわふわもちもちで美味しかった。三角布姿の店員さんたちがなんだかなつかしくてかわいい。

あつあつのお茶をすすりながら、戦利品を持ち帰ったら友達を呼んで和食パーティをしよう、などと夫と話していてふと気がついた。10個で三千円なら、8個なら二千四百円だよね?おじさん。。

「でも、蓋だけ9個あったから百円は蓋の分なんじゃない?」と夫。

まあ、こういうやりとりも骨董市の楽しみのひとつだね、とふたりで笑ってしまった。

今、わが町家の床の間には、夫が一目惚れして即買いしたお坊さんの像が。これだけでなんとなく「我が家感」が増したような‥。

f:id:sababienne:20160329224210j:plain

こちらが例のおわん。こわいおじさんだったけど、よいお買い物ができました。これに盛り付けたらなんでも和食っぽくみえそう。。

f:id:sababienne:20160329224215j:plain

ビフィズス菌たっぷりのお漬物。ほかほかの炊きたてごはんといただきました。

f:id:sababienne:20160329224223j:plain

買えなかったけど、こんなちいさな盆栽や、

f:id:sababienne:20160329224154j:plain

かんざしなんかもかわいいものがありました。

f:id:sababienne:20160329224200j:plain

平野神社は早咲きから遅咲きまでいろいろな木があるので長くお花見が楽しめるそうです。

f:id:sababienne:20160329224204j:plain