くららの手帖

ローヌの岸辺暮らし、ときどき旅

アメリカンなぽっちゃり姉妹とモンブラン(ケーキじゃなくて山のほう)

その姿を見ると、縁起がいいような、ラッキーなような、思わずしあわせな気分になってしまう山といえば、日本では富士山だったが、スイスにきてからはモンブランである。

ジュネーブからレマン湖をはさんだフランス領、80kmの距離にあるモンブラン。天気がよい日には、スイス側からも真っ白な雪をかぶった姿をみることができる。

気象条件とタイミングが合わないと、雲やガスの向こうに隠れてしまって見えない、というのは富士山といっしょ。いつも見られるものではないからこそ、きれいに見られた時のありがたみはひとしおだ。

ジュネーブからみると、モンブランが見える方向に、ちょっと形のまぎらわしい山がある。実際は標高4,800mのモンブランにはくらべ物にならないほど小さな山だが、ずっと距離が近いのでそれなりの大きさに見える。モンブランが見えないような悪天候の日でもこの山は見えることが多く、これをモンブランだと思ってしまうひとは少なくないらしい。

この山のことをジュネーブの人は、ちょっといじわるに「アメリカンモンブラン」と呼ぶ。しばしばアメリカ人観光客がこの山をモンブランとまちがえ、よろこんで写真を撮って帰るからだとか。。

日曜日。

とても天気が良かったので、ひさしぶりにジュラ山脈にハイキングにでかけた。

車でフランス領GEXの街を抜けて山道を少しのぼると、ゴンドラ駅の駐車場に出る。そこから山頂まではゴンドラでのぼることもできるし、いくつかのハイキングコースを歩いてのぼることもできる。

冬はスキーゲレンデになるお花畑を、日光浴しながら登ることもできるが、私たちは、森のマイナスイオンをたっぷり浴びながら森林コースを行く。昨晩すこし雨が降ったので、草花は雨露でキラキラかがやいているし、空気はミストみたいに冷たくて気持ちがいい。

森をでるとしばらくは牧草地がつづく。標高は1000mちょっとだが、初夏のこの季節は一面お花畑だ。青、黄色、ピンク、目に珍しいアルプスの花々に足を止めながらのんびりいく。

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約一時間ほど歩くと山頂に到着。そこで私たちを待っていてくれたのは、この眺め!

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眼下にひろがるのはフランス領GEXの街とレマン湖ジュネーブの街とサレーヴ山も右手に見える。そして、ズズズっと、ズームしてみると、、、

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そう、正面にはモンブラン

ここに来たのは五回目くらいだが、モンブランが見られたのはこれがはじめて。

さっそくピクニックテーブルの空いているところに相席させてもらって、お弁当をひろげる。家にあったパンとスナックとりんご、と簡単なものだが、こんな景色を眺めながらなら何だっておいしくかんじられるというもの。

相席したのはワシントンから遊びにきていたアメリカ人ファミリー。

「ここに来たのははじめてなんだけど、いきなりモンブランがみられて超ラッキーよ!」とものすごくはしゃいでいる。

そのはしゃぎぶりを見るにつけ「見えているのがほんもののモンブランでよかった(アメリカンモンブランでなく。。)」と胸をなでおろすのだった。

行きはゴンドラで登ってきたという彼女たち、お花畑がきれいと聞くと「帰りは歩いて降りようか?」母親が娘たちに提案した。ぷくぷくよく肥えた10歳前後の姉妹、ふたり揃って首を横にふる。「せっかくスイスにきたんだからハイキングも楽しいよ」という父のことばも青空に虚しく消えるのみ。

昨夜は「マラコフをたらふく食べた」というぽっちゃり姉妹。マラコフというのはチーズの塊を揚げた結構ヘビーな一品で、けっして「たらふく」食べられるシロモノではない。コロッケの中身が全部チーズというのを想像してもらえればよいかと。

結局、両親の説得もむなしくゴンドラ駅にむかった姉妹の背中を見送りながら「せめて昨夜のマラコフ分ぐらいは歩いたほうがいいんじゃないかい?」と余計な心配をする私たちであった。

***

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