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SABAすたいる

スイスのくらし、旅のエッセイ、日々のできごと、おもうこと。

ブレない女になりたい。ビアトリクス・ポターに学ぶシンプルライフ

ブレないひとになりたい、といつも思う。

やりたいこと、必要なもの、好きなもの、大切なことは何かがはっきりしていて、他人や状況に左右されない「自分」をもっているひと。

けれどもこれがなかなか難しい。

自分で選んだはずの進路も、壁につきあたったり、別の道を行く友人がまぶしくみえたりするだけで、焦ってみたり、自信をなくしてみたり。

バカげていると頭ではわかっていても、他人とくらべて落ち着かない気持ちになったり、自分とはちがう価値観に触れただけで、いとも簡単にグラグラ揺れてしまう。

結果、たいして好きでもないことに手を出してみたり、ちぐはぐなモノを買ってみたり、大切なことをないがしろにした生活にひたってみたり。

気づけば、人生ブレブレ。価値観も、ライフスタイルも、キャリアも、だれかの受け売りをツギハギにした訳のわからないものになりはてて、、なんてことにはなりたくない。

だからせめて「ブレないひとになりたい」と、時々ことばにして唱えてみるのだ。自分をすっかり見失ってしまわないように。

そんな私の中で究極の「ブレない女」といえば、ビアトリクス・ポター。ごぞんじ、ピーター・ラビットの著者である。

何年か前に湖水地方ミュージアムを訪れた際、彼女の人生があまりにドラマチックで、強くて魅力的なひとだと知って以来、大ファンになり、絵本の世界にもすっかり魅了されてしまった。

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ミュージアムで買いもとめた、彼女の人生と作品を紹介したちいさなブックレット。

ビアトリクス・ポターが生まれたのは1866年。ヴィクトリア朝のイギリスは、女の幸せといえば、お見合い結婚して主婦になることで、女の経済的自立や恋愛結婚など考えられない時代だった。

そういった慣習にことさらうるさい上流階級の出身にもかかわらず、経済的自立にじゅうぶんすぎるお金をかせぎ、47歳まで独身をつらぬき、愛する湖水地方でおひとりさまライフを満喫しながら、開発の動きに逆らって自然保護活動にとりくむ、というビアトリクスの生き方は、そうとう揺らぎない信念がなければ実現不可能だっただろうとおもう。

幼い頃から、田舎、生き物、絵を描くこと、お話を作ることが好きだったビアトリクス。好きなことがはっきりしていてブレない。だからそれはそのままキャリアになり、どこに住むか、どんな暮らしをするか、どんなお金の使い方をするかまで、彼女の人生に一本筋をとおすことになる。

恋愛や結婚、母親との関係、社会との関わり方、仕事上の決断。これが好き、あれがやりたい、というのが明確だから、たとえ障害があっても、他人に何といわれようとも揺るがない。仕事上の挫折にも、悲しい恋の結末にも、その部分はけっして折れることがない。

根っこの部分に、ブレないものを持つひとは、強くて、自由で、優しい。そして、ブレない人は、自分にとって本当に大切なものがはっきりしているから、人生も暮らしもシンプルなのである。

本当のシンプルライフってこういうことよ、とビアトリクスは教えてくれる。

ミス・ポター [DVD]

映画「ミス・ポター」には、そんなビアトリクスの半生が描かれていて、奮闘する独身女性を演じさせたらピカイチのレニー・ゼルヴィガーがビアトリクスを演じている。

ことしはビアトリクス・ポター生誕150年。

日本ではこの夏、彼女の原画展が開かれているらしい。

www.peterrabbit2016-17.com

これはかなりうらやましい!

会期中になんとか日本に一時帰国できたりしないものかと、あれこれ策を巡らせていたら、夫がひとこと。

「ここ(スイス)からだったら、湖水地方に行ったほうが安いし、近い」

たしかにおっしゃるとおり。

EASYJETのサイトで格安チケットを検索して、妄想にひたる昼さがりである。

 *数年前におとずれた湖水地方のグラスミア。絵本の舞台にもなっている村です。

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*雨の中歩いていたら、ピーターラビットそっくりのうさぎが飛び出してきて、歓声をあげてカメラを向ける私たちから逃げまどう、という絵本さながらのシーンに遭遇。

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*よくみると右隅の手押車の車輪のかげにしっぽと後ろ足。とってもすばしっこくて、かろうじて撮れた写真がコレ。ブレブレだけど、よい思い出です。

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 *先日、にわかに紅茶にハマっている、とこのブログにも書きましたが、この湖水地方マナーハウスでいただいたアフタヌーンティーを思い出したら、ますます、妄想がもりあがってきました!