SABAすたいる

スイスのくらし、旅のエッセイ、日々のできごと、おもうこと。

されどハイヒール。すべって、転んで、やせがまん。

すべって転ぶ、といえばバナナ。バレンタインの買い物客でにぎわうスーパーマーケットにて、バナナならぬナニモノかをふんづけた私。盛大にすべって、ころんだ。

いったい何にすべったのか?

床に目をやった私が発見したのは、イチゴのヘタである。

なるほど。。スーパーの入り口に、バレンタインの定番デザート”チョコレートフォンデュ”用のイチゴが山積みになっていた。

chocolate fondue 03

野菜や果物は計り売りが基本。むきだしのまま山になっているのを、味見と称してひとつふたつ食べるのはOKというのが暗黙のルールと化している。もちろんオフィシャルに味見をおすすめしているわけではないので、イチゴのヘタ入れみたいな気の利いたものはない。味見したら、ヘタはその辺にポイである。

基本的にお行儀のいいスイス人なのに、どういうわけか「食べかすをポイ」に関してはけっこうワイルド。現代日本においては、バナナの皮が道に落ちていることなどめったにないが、ここではたまにある。

さすがにバナナの味見はナイ、と信じているけれど。。

とにかくそんなことがあって、帰る道々「やはりこの国でハイヒールはムリかも」とユウウツな気分になってしまったのだった。

じつは、ハイヒールを履く機会がほとんどない日常に危機を感じ、この日はひさびさに7センチヒールのブーツででかけたところ。

ちなみにこのブーツを履いていて転んだのは、これがはじめてではなく、いちどはトラムの中で、急ブレーキがかかってひっくり返り、見知らぬ青年のひざの上に着席。そしてまた別の日には、石畳にヒールを挟まれて転倒し流血さわぎとなった。

「そのブーツ、もう捨てたら?」

夫の冷ややかな視線を感じる。

「そのうち、死ぬよ?」

危ないし、歩きにくいし、だいいちスーパーマーケットにハイヒールを履いていく必要がありますか???

もちろん、ない。が、しかしそんな危険を冒してでもハイヒールを履きたい理由は、ある。

ぺたんこシューズばかり履いているとハイヒールを履かないのじゃなくて履けない体になると聞いたからだ。履かないのは自分の意思だからいいけど、履けないのはくやしい。

というか、なんかさみしい。

たかがハイヒール、されどハイヒール。もはや哲学的に悩ましく。いっそハイヒールで筋トレするか?もしくはヘルメットでもかぶるか?

なにかいい方法はないものか、しばし思案に暮れる午後である。

High Heels

*パリで目撃した「杖をつきながらもハイヒールを履くおばあちゃん」が目標です♪