くららの手帖

ローヌの岸辺暮らし、ときどき旅

もみの木のブローチ

ふだん、アクセサリーもつけず、洋服もシンプルな飾り気のないものばかり、というIさんのセーターの胸もとに、そのブローチを見つけたのは、女ばかりで集まったクリスマス会でのことでした。

クリスマス会、といっても、ドレスコードは普段着。

教会の集会所に、かんたんな料理をもちよる、ささやかなものですが、気のおけない仲間どうし、食べて、飲んで、おしゃべりするのを毎年楽しみにしています。

f:id:sababienne:20171222205840j:plain

年令も、職業も、国籍も、家族構成もばらばらなメンバーの中で、みんなのお母さん的な存在のIさん。

料理をとりわけたり、すみっこの席の人に話をふったり。いつものことながら面倒見のよさを発揮していました。

でも。

いつもと、ちょっとちがう。

なんだろう?

お酒もてつだって、いつもよりはしゃいでいるのはIさんだけではなく、話題の中心になっているわけでもないのに、Iさんを中心に「楽しい気分」が波紋のようにひろがっていたのです。

その波紋を、たどっていった先にみつけたのが、シルバーとパールが、もみの木のかたちに編まれたブローチ。

いつものベージュのセーターの胸元に、そこだけぽっと灯ったキャンドルのようです。

楽しみにしてきたんだなぁ。

おしゃれしてきたんだなぁ。

でかけるまえ、ブローチを留めて、鏡をのぞきこむIさんが、目に浮かびます。

そのブローチからは、Iさんの「ウキウキ」感がにじみでていて、それが周りの私たちにも伝わってくるようでした。

むずかしいことは考えず、楽しい気持ちをそのままあらわした、Iさんの素直なおしゃれごころ。

すがすがしくていいなぁ、とおもいました。

「何を着たらいいかわからない!」

年齢をかさね、ライフスタイルも変化して、じつは、最近おしゃれが楽しくなくなってしまっていた私です。

野の花を摘んで、ブローチにするような。

はじめておしゃれに興味をもちはじめたころの、あの素直な気持ち。

「おしゃれの原点」を思い出したのでした。

f:id:sababienne:20171222013841j:plain*クリスタルメーカーのBaccaratが、毎年出しているクリスマスオーナメントに、ついてくるクリスマスチャリティのピンバッジ。ひっぱりだして、今週末のクリスマスの集まりにつけていこうかな?と思ったりしてます♩