くららの手帖

ローヌの岸辺暮らし、ときどき旅

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

やわらかな水の国、ニッポン。京都町家で暮らす一ヶ月

雨が屋根をたたく音で目が覚めた。木造家屋は、外の空気をかんじられるのがいい。 気密性のたかい鉄筋コンクリートは、防音や断熱に優れていてとても住み心地がよいけれど、こういう情緒を感じられるのはやはり木造家屋だ。 夫は昨晩の夜更かしがたたったか…

安くてもたのしいモノ。宇治の骨董屋で「夢を買う」。京都町家で暮らす一ヶ月

宇治のお寺の参道にあるちいさな骨董屋の、戸棚にひとつだけちょこんとならべられていた染付のそばちょこ。 他のものを購入して、さぁ帰ろうとふり向いたとき、ふと目が合ってしまったのだ。 灰色がかった落ち着いた白地に、スモーキーな藍色のやわらかな筆…

居ごこちのよい本屋さんはもう一つのリビングルーム。京都岡崎・蔦屋書店。京都町家で暮らす一ヶ月

住む場所をさがすとき、近所にあるといいな、と思うもの。 コンビニ、おいしいパン屋さん、クリーニング店、新鮮な食材を売るスーパーマーケット。それから、ぶらりと歩きに出られる散歩道、のどかな公園。図書館。趣味のいい本屋さん。人目を気にせずぼーっ…

ご近所さんにコンニチワ。旅先で髪を切る。京都町家で暮らす一ヶ月

バケーションレンタル、といっても、ハワイなどの大規模リゾートのそれと違って、今回の京町家にしても、パリで借りたアパルトマンにしても、隣人は日常を暮らしている地元の人々である。 入れ替わり立ち替わり見知らぬ人が出入りする、というだけでも落ち着…

祇園白川、丸山公園、ほろ酔い気分で夜桜見物。京都町家で暮らす一ヶ月

午後たっぷり昼寝したあと、おなかが空いて目が覚め、夕ごはんを食べにふたたび街に出た。先斗町をすこしぶらぶら歩いてすき焼き屋さんにはいった。 時刻はちょうど午後7時。お花見シーズンをむかえた土曜日の夜である。予約なしで大丈夫かなぁと心配したの…

地図をもたない街歩き、疎水べりのお花見散歩。京都町家で暮らす一ヶ月

地図をもたずに歩くいちばん簡単な方法は、水辺を歩くことだ。川や海、湖や水路など。とりあえず、行き先さえ決めてしまえば、あとは水のおもむくままに従って歩けばいい。わが家はローヌ川に面して建っているので、よくローヌ川沿いを散歩する。 いちど、行…