くららの手帖

ローヌの岸辺暮らし、ときどき旅

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

地に足つけて、家事を:永住権をいただきに、ニューヨーク(3)

ニューヨーク。 それは世界一、家事のアウトソーシングがすすんでいる場所だ。 メイドが雇えるようなお金持ちだけではなく、一般的なサラリーマンの家庭でも、外部のサービスを積極的に利用している。 たとえば、ごくごくふつうのサラリーマンであるstep son…

ドロータはどこ?:永住権をいただきに、ニューヨーク(2)

ニューヨークでは、step son(継息子)のPくんが、独身のときに住んでいたアパートに滞在している。 去年、PくんはフィアンセのMちゃんと家を買った。 だからかれこれ一年以上、このアパートには誰も住んでいないのだけど、Pくんは賃貸にもださず、そのまま…

みどり色のドレスをきた女の子:永住権をいただきに、ニューヨーク(1)

ワオ!おめでとう!ようこそアメリカへ! ちょっと芝居がかった、大げさな調子でそういうと、口ひげをたくわえたその入国審査官は、差し出したわたしの”移民ビザ”に、ポンッといきおいよく、スタンプをおしてくれた。 事務的なやりとりが、淡々と無表情にく…

ロンドン、お茶の時間

巨大なスカラベに、猫のミイラ。古代文字に、ギリシャのつぼ。トルコ石がびっしりちりばめられた魔除けのブローチ。 おもちゃ箱をひっくり返したような、古今東西のお宝の数々を、朝からぶっとおしで拝見していたせいか、頭の奥がズーンと重い。 どうやら、…

HOME

一滴の雨も降らない、かんかん照りが二週間ほどつづき、湖の花火大会が終わるころになると、こんどは夕立ちとかみなりが毎夕やってくる。 雨は、ひと夏ぶんの熱をはらんだ地面や、屋根や、木々や、空気や、人々の日焼けした肌に降り注ぐ。 一日、また一日と…