くららの手帖

ローヌの岸辺暮らし、ときどき旅

絵本・児童文学

ホフマンの手と、森と金貨と。

義兄のクリストフが、ランチに仔牛のパイ包みを焼いてくれた。切りわけるクリストフのがっしり肉厚な手をみていて思いだしたのは「ホフマンの手」だ。 フェリックス・ホフマンは、わたしが幼いころボロボロになるまで読んだ(かずかずの)絵本の作者である。…

かつお節だよ人生は

生まれてはじめて、昆布とかつお節から出汁をひいた。なんて、新年早々、母がきいたら卒倒するかもしれない衝撃的な告白ではあるけれど、事実なのだから仕方がない。きっかけは、知り合いのドイツ人・マルチンさん。秋に北海道に行くといったら「昆布とかつ…

ぼくの眼差し、だれかの物差し

ジュラの森に住む友人の家で、久しぶりにPさんに会った。 「夏はどこで過ごすの?」 わたしが聞くと、 「この夏は、大学生だよ」 とPさん。大学付属のフランス語サマーコースを受講するそうだ。Pさんはジュネーブ暮らしも長く、フランス語が話せないわけじゃ…

夫婦げんかは「夜の庭」で。

「Jardin de nuit (夜の庭)」という題名の絵を額装にだしていたのが、出来上がってきた。これはわたしが好きなスイス人イラストレーター・アルベルティーヌさんの絵で、昨年のクリスマスにRがプレゼントしてくれたものだ。 アルベルティーヌ さんは詩的なス…