暦の上ではまだ春のころ。初夏を思わせる陽気に誘われて窓を開け放していると、階下のテラスから食器のふれあう音と静かにおしゃべりする声とが、パラパラと部屋に忍びこんできた。お客さまかしら、とのぞいてみると、特等席に丸くなっていたのは、あの猫。 …
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