くららの手帖

ローヌの岸辺暮らし、ときどき旅

映画

予定不調和

マリメッコのデザイナー、マイヤ・イソラ〈Maija Isola〉のドキュメンタリー映画がすこし前に日本で公開された。それに合わせてひらかれたトークイベントに参加したのだが、この映画の監督をつとめたレーナ・キルぺライネン<Leena Kilpeläinen>さんが、とてもおもしろかった。 </leena>…

みどり色のドレスをきた女の子:永住権をいただきに、ニューヨーク(1)

ワオ!おめでとう!ようこそアメリカへ! ちょっと芝居がかった、大げさな調子でそういうと、口ひげをたくわえたその入国審査官は、差し出したわたしの”移民ビザ”に、ポンッといきおいよく、スタンプをおしてくれた。 事務的なやりとりが、淡々と無表情にく…

変人映画・愛。

変わってる人ですね、っていうのは、ほめ言葉じゃないかも。 そう気づいたのはもうだいぶいい大人になってからだ。 ユニークな人、とか、おもしろい人、とか。 いい意味が含まれている場合ももちろんあるけれど。 むしろ「こまった人ですね」とか「つきあい…

金を、継いで。

日本には、KINTSUGIというすばらしい習慣があるのですね。 そういってわざわざ国際電話をくれたのは、シドニーに住むオーストラリア人のNさんである。 KINTSUGI? さびついた脳内ローマ字日本語変換は、なかなか変換候補をみつけてくれない。 あ。 金継ぎ、…

トレンチの魔法。映画「クロワッサンで朝食を」が教えてくれる、ファッションのちから

八月だというのに、このひと月ほどトレンチコートのことが頭から離れず、困っています。トレンチコートが欲しくてトレンチ探しをしているから、ではありません。 七月の終わり、入院中に観たこの映画。 「クロワッサンで朝食を」のせいなのです。

女子力より「ママン」力。カトリーヌ・ドヌーヴに学ぶ、大人の女の底力。

女子力、女子力、とお経のように耳元で唱えられた30代。柄にもないフェミニンな格好をしてみたり、女らしい習い事をしてみたり、美容に大枚つぎこんだり、思えば大変な時代であった。 女子力(じょしりょく 英語: women's power[1])は、輝いた生き方をして…

絵本「ウルスリのすず」の実写版映画を観ました。これは日本でもぜったい公開してほしい!

「ウルスリのすず」という絵本をご存知でしょうか? www.ehonnavi.net スイスの山奥に住んでいる、とんがり帽子の男の子ウルスリの、村のお祭りをめぐるちいさな冒険のおはなし。 わたしはスイスに住むことになるずっと前からこの絵本が大好きだった。 読む…