「フランス人は10着しか服をもたない」の中で、アメリカ人の著者ジェニファーが、パジャマがわりに着ていた穴のあいたスウェットパンツに、フランス人のマダムシックがギョッとする、というくだりがあります。 フランス人は10着しか服を持たない~パリで学ん…
日曜日。ちょっと早起きして、フランス領Divonneのマルシェ(朝市)へ。日本の母からのおつかいで、頼まれたものを買いにきました。 めざすはピンクのテント、Cookme ! https://www.cookme-shop.com グルメの都リヨンにあるスパイス・お茶の専門店です。
何もしないですごす休日が、一番ぜいたく。 わたしの周りのスイス人は口をそろえてそう言います。 しずかに本を読んですごす、とか ゆっくり料理をする、とか 一日中ぼーっと景色をながめてすごす、とか ただ近所を散歩する、とか。 でも私、この「何もしな…
午前11時05分のカフェ。わたしはフランス語のN先生を待っている。 プライベートのカフェレッスンは11時からの約束だ。 たいした遅刻ではないというのもあるけれど、こうして待たされてもイライラしないのは、N先生のとある才能のおかげである。
ジュネーブの代官山、と勝手にわたしが呼んでいるカルージュ(Carouge)は、お洒落なカフェや雑貨屋さんがならぶかわいい街。年に一度の骨董市をやっていたのでのぞいてみた。
二泊三日の母娘ミラノショートトリップ。せっかくなので帰り道はベルンで途中下車することにしました。 せっかくスイスの娘をたずねてきたのに、スイスを全く観光しないのもナンですし。 しかし、冬のオフシーズン、しかも日曜日、という二重苦のベルンです…
母がどうしても見たい!というので、予約して朝イチで見にいった「最後の晩餐」。 「人生の最後になにを食べたいか?」 そうきかれると、おあそびと承知の上でも、妙に真剣にかんがえてしまうのはなぜでしょう? 同様に「旅先で何を食べるか?」というのも、…
母が日本からあそびにきました。 11月はスイスの超オフシーズンだと、何度も忠告したのにもかかわらず、です。 スイス観光のハイシーズンといえば、7月、8月のハイキングシーズンが有名ですが、もうひとつ、12月から3月までのスキーシーズンというヤマがあり…
さんぽの途中にみつけた、近所の小学校のクリスマスデコレーション。毎年、ちがった趣向で楽しませてくれるのですが、それにしても今年のはとりわけ味があって、おもわず足をとめてしまいました。 校舎をぐるりとかこむ鉄柵のギザギザに、手づくりオーナメン…
スイス・レマン湖沿いの葡萄畑ラヴォーにあるちいさな教会で、50代の友人カップルが結婚式を挙げた。ともに再婚、おたがいの子供たちも参列しての「オトナ婚」である。 新郎は、グローバルにビジネスを展開するエリート。自家用飛行機やワイナリーを所有し…
トラブルというのは、いつだって「よりによって」という時と場所でおきるモノである。 アローザでの一週間のトレッキングウィークも最終日。帰宅の途についた私たちの車のエンジンが停止したのは、スイス西端にある自宅から450kmはなれた、スイス東端の山中…
朝、ホテルのロビーで、民族衣装をきたこどもたちとすれちがった。あまりにかわいらしくて目をうばわれていると、フロントの男性が言った。 「きょうは、アローザでワルサーの同窓会があるんですよ」 ワルサー?耳慣れないことばにとまどっていると、 「じつ…
人は見ためによらずというけれど、山は登ってみなければわからない。 Setaという小山にはすっかりだまされた。 この日歩いたのは、Langwies(1377m)からBlackter Fürggli (2141m)まで、800m登って800mくだる、10kmを4時間かけてあるくというコース。 La…
今日はヴァイスホルン(Weisshorn)山頂の展望台に行ってみようという。 空はぶあつい雲におおわれ、山はたちこめる霧につつまれているというのにだ。 こんな日に展望台?と顔に書いてあるわたしをみて、夫がいった。 「雲がひくいから、きっと山頂は快晴だ…
トレッキングメンバーのひとり、モントレーは動物さがしの名人だ。 「あ、あそこ」 小さくささやき、モントレーが立ち止まると、その視線のさきに動物がいる。それはまるで魔法か手品をみているかのようで、わたしは動物がみたくていつもモントレーにぴった…
「グリュッツィ」(こんにちは) ひときわ古くて美しい民家。窓辺のゼラニウムに目をうばわれ、写真をとっていたら、玄関からおかっぱ頭の女性が顔をのぞかせ声をかけてくれた。 「まだやってますよ、よかったらどうぞ」 ひとなつこい笑顔につられて、おじゃ…
郷に入れば郷にしたがえ、とはいうけれども、サウナに入れば全裸になれ、という地元ルールには、さすがの私もいっしゅんひるんでしまった。 ホテルクルムアローザには、谷に面して全面ガラス張りのステキなスパエリアがある。上階にジャグジーもそなえた大き…
アローザの谷をへだてて反対側に、ミリアムの山小屋はある。 「ちょうど、アプリコットケーキが焼きあがるわよ」 注文をとりにきたミリアムがいう。あまくてこうばしい香りがキッチンから漂ってくるのにきづくと、きゅうにお腹が空いてきた。 お茶のじかんと…
翌朝、目を覚ますと、そとは雨が降っていた。天気予報によると、最高気温6℃、最低1℃らしい。雲なのか霧なのか境目のはっきりしないもやの中に、向こう側に見えるはずの山もかすんでみえない。 こりゃ、今日はトレッキングはキャンセルかな?ホテルで1日のん…
9月末は、スイスの夏が終わりをつげる季節だ。夏のあいだフル回転で営業してきた山岳リゾートのホテルも、冬のスキーシーズンまでいったん店じまいするところが多い。 9月下旬になると、つめたい雨とともにストンと気温がさがり、空気がすっかり入れ替わった…
ウォーキングの途中、ローヌ川から丘にのぼる坂道で、ある朝、ヨボヨボのおじいさんをみかけた。 ゆっくり、ゆっくり一歩ずつ。アディダスのブルーのジョギングパンツから伸びた脚は、夏の終わりだというのにすきとおるように白くて細く、カラフルなスポーツ…
前回おはなしした、姪っ子Rちゃんのスロウすぎる結婚式。すっかり書きそびれたのが、二人が結婚式を挙げたチューリッヒ湖畔のちいさな街ラッパーズヴィルのこと。 新郎のC君がうまれ育った街であり、C君はここの警察官、Rちゃんは薬剤師として薬局を経営して…
週も半ばになるのに、週末の寝不足がたたって眠気がとれない。 朝も早よから仕事にでかけた夫には申し訳ないが、平日の昼さがりに気兼ねすることなく昼寝できるというのは主婦の特権である。 この週末は、姪っ子Rちゃんの結婚式に出席するため、チューリッヒ…
日本にいる家族から、スイスのお土産にたのまれるものといえば、チョコレート、チーズ、スイスワインが定番だが、なかでも甥っ子たちに人気なのが「ジャンボ小枝」(甥っ子たちが命名)である。 日本の「小枝」を大人の指ぐらいの大きさにしたチョコレート、…
夏休み。街を脱出するバカンス組がいるいっぽうで、あえて夏は街で過ごすというひとびとも少なくない。 とくに学校にかよう子供がいない家庭では、子供の夏休みにスケジュールを合わせる必要もないので、バカンスは季節をずらして安くゆったりすごす派がおお…
バーゲンで狙っていたエスパドリーユ。なんと、奇跡的に私のサイズが残っていたのですかさず購入した。 石畳のヨーロッパの街でも、エスパドリーユならヒールが高くても楽々歩けるので、夏は毎日エスパドリーユを履いている。愛用していたものが、ちょっとく…
その姿を見ると、縁起がいいような、ラッキーなような、思わずしあわせな気分になってしまう山といえば、日本では富士山だったが、スイスにきてからはモンブランである。 ジュネーブからレマン湖をはさんだフランス領、80kmの距離にあるモンブラン。天気が…
お母さん、お姉さん、おばさん、奥さん‥。女性の呼び方はいろいろあれど、マダム、と呼ばれるのは気持ちのいいものである。 はじめは、マダムという言葉のひびきに、なんだか特別ステキな大人の女性として認められたような気がしてうれしかったものだが、そ…
女子力、女子力、とお経のように耳元で唱えられた30代。柄にもないフェミニンな格好をしてみたり、女らしい習い事をしてみたり、美容に大枚つぎこんだり、思えば大変な時代であった。 女子力(じょしりょく 英語: women's power[1])は、輝いた生き方をして…
先日、トラムに乗ったら、きれいな女の人が、チコリをむしゃむしゃと食べはじめたのでびっくりした。 チコリ、というのは英語名で、フランス語だとアンディーブ。ちょっと苦味のある、小さな青梗菜のような、白菜のような野菜で、ハムで巻いてチーズをかけて…